KOMA KOMA×日文 EXとは

ニメーションを、
つくって、見て、編集する
ー「伝わる表現」のための探求ツールー

KOMA KOMAは、アニメーションと教育をつなぐことをテーマとして、アニメーション作家/研究者の布山タルトが2010年に開発し、その後、さまざまなバリエーションで展開されてきたコマ撮りアニメーション制作アプリです。
2021年には、小中学校でも使いやすいWEBアプリ版のKOMA KOMA×日文が公開され、全国各地の授業等で使われてきました。

思いついたアイデアをすぐに撮影してつくってみる。
その手軽さが、KOMA KOMA×日文の一番の魅力です。

しかし同アプリは必要最小限の機能だけに絞り込んだため、つくった作品を「もっと良く、伝わる表現にしたい」という時には、後からの編集が出来ないために、少しもどかしい面がありました。

そこで、もう少し高度な表現に挑戦したい、という児童生徒の希望を叶えるべく、新たに開発したのが、KOMA KOMA×日文 EX(以下、EX)です。

EXは、KOMA KOMAの手軽さはそのままに、新たに加えられた「タイムシート」というインターフェースの上で、撮影したコマの削除や撮り直し、複製などの、簡単な編集ができるようになっています。
また、以前のバージョンでは、99コマまでだった撮影上限が999コマまで増えたので、これまで以上に長い作品制作が可能ですし、制作途中のデータを保存して、後日読み込んで続きを作る、といったこともできるようになりました。
さらに、ムービー書き出しのフォーマットとしてMP4にも対応したので、映像編集ソフトなどに読み込んで編集することもやりやすくなっています。

ところで、EXにはどういう意味があるのでしょう?
この2文字は、EXposure sheet(タイムシート)、EXplore(探検する)、EXperiment(実験)、EXpert(専門家)、EXcellent(素晴らしい)…等々、このアプリの特徴や方向性を示す、様々な意味が込められています。

みなさんがこのEXを使うことで、アニメーションに流れる時間を意識し、コマ単位で編集することを通じて、これまで以上に豊かでクリエイティブな「伝わる表現」を目指してほしいと願っています。

山タルト(ふやま・たると)KOMA KOMA開発者/
東京藝術大学大学院映像研究科
アニメーション専攻教授
1990年代からアニメーション制作を開始。『FRANK』(文化庁メディア芸術祭優秀賞)をはじめ、紙メディアと映像メディアをつなぐ作品を制作。2003年からトリガーデバイス社と共同でアニメーション制作デバイスの開発を始め、国内外でワークショップを行う。2010年にコマ撮りアプリ『KOMA KOMA』を開発。共著書に『アニメーション <動き>のガイドブック 伝わる表現の基礎講座』。『アニメーションブートキャンプ』共同ディレクター。一般社団法人日本アニメーション教育ネットワーク理事。日本アニメーション協会理事。JAAアニメーション・キャラバン代表。日本アニメーション学会事務局長・副会長。博士(学術)。